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点が集まると線になる。線と線で面ができる。面と面を組み合わせれば立体になる。すべての始まりは点です。いくつもの点を集め,やがては立体を構成したい。立体を作ることを目指したブログです。


by kynagoya
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行政改革……よく気を付けないと弱い者いぢめに

 いよいよ名古屋市議会議員選挙が明日になりました。東北から関東にかけて、地震と津波による大被害が出ており、選挙どころではない気もしますが、投票には行こうと思っています。

 ところで、朝日新聞の「be on Saturday」(3月12日付)の磯田道史のこの人、その言葉=勝海舟=に、行政改革について書いてありました。

 名古屋の政治情勢となんとなく似通った面があるように思い、以下に、紹介します。

行政改革といふことは、よく気を付けないと弱い者いぢめになるヨ
 
 勝海舟は「世の中に無神経ほど強いものはない。庭先の蜻蛉を指し「あの蜻蛉をごらん。尻尾を切っても平気で飛んで行くではないか」といった。白刃のなかを切り抜け、幕府の始末をつける大仕事をした彼は、難局にあたる時の無神経の大切さを説いた。「人間は難事に当たってびくとも動かぬ度胸がなくては、とても大事を負担することは出来ない。今の奴らは、ややもすれば、智慧をもって、一時逃れに難関を切り抜けようとするけれども、智慧には尽きる時があるからそれは到底無益だ」。智慧より度胸だと勝はいう(『氷川清話』)

 智慧より度胸というあたりは、「市議会」と「市長」の構図が目に浮かびます。智慧を出しても出しても、結局は度胸に負けたという構図です。
 政治とは何か。<天下の大勢を達観し、時局の大体を明察して、万事その機先を制するのが政治の本体だ……この本体さえ定まれば、小策などどうでもよいのサ>。大胆に先手を打つのが政治。後手にまわって小策を弄する平成の今、勝が総理だったらどうするか。そんな空想が頭をよぎる。彼は行革は弱い者いじめになりやすいといった。<全体、改革といふことは、公平でなくてはいけない。そして大きいものから始めて、小さいものを後にするがよいヨ。いい換へれば、改革者が一番に自分を改革するのサ>この言葉からすれば、おそらく勝は議員→公務員→国民の順で負担を求めるのではないか。偉い順に政治家や役人から改革を迫るのが彼の思想だ。

 「市長」の年休を800万円にする。一番に自分を改革しました。次は議員、そして役人という構図は、ずばり河村たかし市長の行政改革の手順です。磯田さんの文を読んで、初めて河村さんが大勝利を得た原因がわかったような気がします。リコールにあった議員さんたちの何人がこの手段に気づいていたでしょうか?
 政治の善悪は、みんな人に在るので、決して法にあるのではない……人物が出なければ、世の中は到底治まらない」と彼はいう。そんな政治家はどこにいるのか。<人材などは騒がなくつても、眼玉一つでどこにでも居るヨ>これも勝の言葉である。探すのは我々だ。


 磯田道史さんは、歴史学者・茨木大学准教授です。
 ◎ウィキペディアでの紹介=磯田道史
 ◎あの人検索スパイシー=磯田道史
by kynagoya | 2011-03-12 20:28 | 心に残したい言葉